出産は感動体験

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看護師のGOサインと里の方言が癒してくれた

初めて陣痛が来てから4時間後、
子宮口がやわらかくなりやっと
助産師さんのGOサインが出ました。

 

いよいよ、ふんばって赤ちゃんを出します。

 

力の入れ方は、陣痛の波に乗るのです

 

じわじわ来たときに痛みの頂点を見極め

 

「いまだ!」

 

と思ったときに思い切り踏ん張ります。

 

ずっとふんばるとお母さんも疲れますし赤ちゃんも苦しい
ので陣痛の頂点の時だけ力を入れ
痛みが去ったら休憩します。

 

1回ふんばってみるたびに
助産師さんが「今の良かったよ!」とか
「次はもうちょっと長くいきめるかな?」など、
褒めてくれたりアドバイスしてくれたりします。

 

部活のコーチか何かのようです。
私は分娩中のまさにこのとき
「ああ、里帰り出産にしといて良かった」
と思いました。

 

なぜなら
助産師さんが
私の
地元の方言で話しかけてくれるからです。

 

私の現在の住所の方言とは全然違います。
あたたかいというか、落ち着くというか。

 

分娩中は極限状態なので、
そういう些細なことが
とても嬉しく感じられたことを覚えています。

 

そして
今まで助産師さんと敬語で話していたのが急に

 

「いや、大丈夫」とか

 

「分かった」とか

 

口調がぞんざいになってしまったことも
覚えています。

 

あとで思い出すとそんな自分が恥ずかしいのですが、
その時はもう丁寧にしゃべることすら思い浮かばないくらい
いっぱいいっぱいの状態だったのです。

いきみ逃しの呼吸法で乗り切る

その日は出産が重なっていたようで、
助産師さんは一人で
私と誰かほかの方を交互に見ているようでした。

 

あるとき、助産師さんがふっと居なくなって
なかなか帰ってきませんでした。
立ち会ってくれていた母と夫は
助産師さんが立ち去ると急にうろたえ始めました。

 

「次痛みの波が来たら、私たちにどうしろと・・・」
という空気が流れているのをひしひしと感じました。

 

しかしいくら置き去りにされても
陣痛はお構いなしにやってきます。

 

二人がおろおろしているせいで
余計陣痛が苦しく感じられましたが
そんな二人を尻目に私は
「フーーーー」と懸命に

 

いきみ逃しの呼吸法

 

をやって何とか乗り切りました。

 

助産師さんも無事帰ってきてくださり
ふんばりを何度か繰り返すうちに
「もう頭みえてるよ〜」と言って下さいました。

 

やはり最後は
先生がいらっしゃらないとだめなようで、
助産師さんは先生を呼びに行きました。

 

赤ちゃんの中で一番大きな部位は頭です。

 

だから、頭が出れば
あとはズルズルと簡単に出てきます。

 

頭を出すために、
先生が出口に何か所か
はさみでちょきちょき切り目を入れました。

 

私は開きにくかったからだと思いますが
こうしないと裂けてしまい
切り目を入れるより
裂けた方がくっつくのが遅くなるから
切るのだとおっしゃっていました。

 

はさみで切るというとすごく痛そうですが、
私は切られたことを全然覚えていません。

 

陣痛の痛みがあるので
切ってることなんてどうでもいいのです。

 

大は小を兼ねるのです。
(この傷は、赤ちゃんが生まれると
すぐに分娩台の上で寝たまま縫ってもらえます。)

陣痛は赤ちゃんのパワー

頭が出てすごく楽になり、
あとは先生がうまく誘導して
赤ちゃんを取り出して下さいました。

 

赤ちゃんが
すぽーんと出たときの爽快感と言ったら!

 

すごく気持ちよかったです。

 

どのくらい気持ち良かったかと言いますと、
お産が終わって分娩室に入ってきた父が私に

 

「お前、今自分がなんて言ったか覚えてるか?」

 

「いや・・・わかんない」

 

「『スッキリ!』」と大声で言っとったぞ。」

 

と言ったくらいです。

 

そのくらいスッキリしたんです。

 

赤ちゃんが出ると
お腹をぎゅっぎゅと押され
胎盤をはがして取り出しているんだと
分かりました。

 

先生がへその緒を切り
あかちゃんの喉に入っていた羊水を抜いて下さると、

 

ガラガラ声で赤ちゃんが
「ふわぁふわぁ!」
と泣きました。

 

すごく可愛い声だと思いました。

 

助産師さんは赤ちゃんの血を軽くふき取ると、
寝ている私の胸の上に
赤ちゃんを持ってきて、私に見せて下さいました。

 

肌は赤紫色で
髪はべっとり張り付いていて
目も開いていないけれど

 

首ががくがくしていてはかなげで
とても愛おしく思いました。

 

私もすごく苦しい思いをしたけれど、
この子も「生まれてきたい」って
一生懸命がんばって出てきたんだな
と思いました。

 

赤ちゃんの顔を見たとき、
さっきまでの苦しみがスーっと
消えていくのを感じました。

 

その瞬間、私は
「だから、出産ってこんなに大変なことなのに
人は2人や3人生めるのだなぁ」
と思いました。

 

陣痛が来ているときには

 

「もうこんな思いは二度とごめんだ!」
と思っていたはずなのに・・・

 

出産は、私にとって感動体験でした。

 

30年以上生きてきた人生の中で、
今振り返っても後にも先にも
あれにまさる素敵な出来事はありません。

 

分娩が終わってみると
分かったことがひとつありました。

 

それは、
「陣痛は、赤ちゃんを生むために
必要なものなんだ」
ということです。

 

すごく痛いのでいやなものと
思いがちですが、
でもあの陣痛という
激しい強大なパワーが無ければ
とても人を生み落とすなんて所業は
成し得なかったと思うのです。

 

普通の状態から
「はい、力を入れて赤ちゃんを出して下さい」
と言われても無理です。

 

やっぱり、陣痛が無ければ。

 

それ以来、私は初産婦さんで
出産が近づいている友達には
こうアドバイスするようにしています。

 

「陣痛は、苦しいけれど
赤ちゃんが一生懸命生まれてこようとしている
パワーなんだよ。」と。

 

そうすれば、怖くて痛いイメージのある陣痛が
いざ来た時も、

 

「あ!私の赤ちゃん頑張ってる!すごいパワーだ!」

 

と、前向きにとらえることができると思うからです。

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