専業主婦と就職

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育児以上の仕事ではなかったのか

産後税理士事務所に再就職を果たしたものの
仕事にかまけて育児がおろそかになり
長男に気になる様子が見られた私は
「もうこの仕事は続けられないかもしれない」と思い始めていました。

 

恐らく、私が税務にとても興味があり
勉強して将来税理士の資格を取りたい!と考えていたのだったら
もう少し違ったかもしれません。

 

自分の夢を実現するために子どもたちを説得し
「お母さん頑張りたいから、応援して欲しい」と
子どもにお願いできたかもしれません。

 

でも、私は特別税務に興味があって
そこに就職したわけではありませんでした。
条件が良かったから選んだだけであって
やりがいもあり面白い仕事だとは思いましたが
税務自体に深い思い入れがあったわけではなかったのです。

 

私にとって、育児以上の仕事ではありませんでした。
だから、子どもにお願いすることはできませんでした。
子どもが可哀想だと思いました。

 

子どもはすごく頑張ってくれていますし
子どもの犠牲と仕事とを天秤にかけたら
仕事より、子どもを優先したい気持ちでいっぱいでした。

 

とても悩んだ私は今自分が考えていることを
包み隠さず全部所長に話すことにしました。

ミスマッチングの原因とは

忙しい中、所長は時間を取って下さって
私の話を聞いて下さいました。

 

そして、今回起こったミスマッチングの原因は
自分にもある、とおっしゃいました。
所長は、私を育て上げて将来的には
自分の右腕のような存在にしたいと考えていました。

 

でも、私は育児の片手間に仕事をしたいと考えていました。
所長が私に求めていたものと私が提供できるものが
食い違っていたので、お互い苦しんでいました。

 

私は、確定申告が終わる3月15日までは勤めるが
それが終わったら辞めさせて欲しいと告げました。
所長は、了承してくださいました。

 

結局、所長が新しい人を採用して
その人に引き継ぎをする11月まで勤めましたが
4月以降私の出社日数は徐々に減っていき
フェードアウトするように退職しました。

 

長男はもう学童保育には行かなくなり
私のことをくそばばあと言うことも自分のことを
死んでもいいと言うこともなくなりました。

仕事するなら子どもの犠牲も覚悟すべきだった

私は、就職面接で
「税理士事務所は冬場が忙しいです。大丈夫ですか」と聞かれたときに
はっきりと
「私の第一優先は子育てなので、条件が変わり育児に支障が出るのは困ります」
と告げるべきでした。

 

所長も遊びでやっているわけではありませんので、いくら理解があると言っても
目が回るほど忙しい時期には雇った事務員さんに
活躍して欲しいと願うのは人情です。
その期待に応えられないのなら、就職すべきではありませんでした。

 

それか、一度スキルアップしたいと思って就職活動を始めたのだから
この時点で子どもに犠牲が出ることを覚悟するべきでした。
どんなに育児がおろそかになっても
「この仕事を頑張り通す」と信念を持って働かなくてはいけませんでした。
そのためには、もっと私の興味ある分野の仕事を選ぶ必要がありました。

 

結局私は、条件につられて就職したけど
その条件も死守することができずかと言って
仕事内容にもそんなに興味があるわけではなかった
という何とも中途半端な就職を経験してしまったのです。

 

就業中は貴重な体験をたくさんさせてもらい
決して無駄では無かったと感じていますが
所長には多大な迷惑をかけ、心苦しいばかりです。

 

「『私は後悔していません。この経験が自分の人生の糧になったと思っています』
と言ってくれたので、安心している」

 

と言って下さった所長の気持ちに救われています。